How to ガーデニング ■藤棚のある庭

超々長寿命で栽培も簡単

シンボルゾーンづくり

 庭づくりを成功させるポイントの一つが、シンボルづくりです。大きく太い木はシンボルツリーとして立派ですが、大木に育てるまでの年月と、大木が似合う広い庭が必要になります。一般的とは言いにくいでしょう。

 その意味でおすすめは、形のおもしろさを楽しませてくれる立木や果樹など。レンガ積みや水場、バーベキューコーナー、ウッドデッキなどの構築物を配置するのも、手っ取り早いイメージアップ手法です。

 少し広めの庭があるなら、藤棚を設けてみたらいかがでしょう。藤は万葉集にも詠まれた日本古来の花で、雅な花の色形は髪飾りなどにもアレンジされてきました。

万葉集で詠まれた田子の白藤
 しかも、びっくりするほどの超長寿命。万葉歌人の大伴家持が布勢の湖(現在の富山県氷見市)で船遊びをして、「藤波の影なす海の底清み 沈著(しず)く石をも珠とぞわが見る」(水面に藤の花が影を映している。この湖の水があまりにもきれいなので、湖底に沈んでいる石が宝石のように見える)と詠んだのは1240年ほど前でした。

 そして、家持がこのとき花見を楽しんだ田子の白藤が、今も高岡市の藤波神社で花を咲かせています(樹勢は衰えてきましたが…)。埼玉県春日部市の牛島藤花園の藤も、推定樹齢1200年余とか。これらは格別としても、驚異的な超長寿命であることは確かです。

 それだけではありません。「あらゆる植物のなかで、最も手間いらずで花を咲かせる」と言われるほど栽培が容易なのです。一度咲くと、翌年から毎年咲いてくれます。季節の訪れを感じさせてくれます。